谷宜樹のボクシング人生

ボクシングについてもっと知ってほしいです。

山中慎介を引退に追い込んだ?体重超過問題とは

プロボクシング界には見直すべきルールや慣習が少なからずあります。
今回は近年増加傾向になるボクサーの体重超過問題について解説しましょう。


■ボクシングで起こる「体重超過」問題とは

17もの階級に分かれているプロボクシングでは、試合前日にボクサーの計量が行われます。
試合を控えたボクサーは当然ながら万全の体制で挑むべく、しっかりと調整してきます。
ところが近年、計量に失敗するボクサーが増えてきました。
いわゆる体重超過問題です。
「神の左」とも呼ばれ、具志堅用高が持つ防衛記録に追いつこうかという勢いのあった山中慎介を引退に追い込んだのは、対戦相手ルイス・ネリ(メキシコ)の体重超過が原因でした。
なぜボクサーの体重超過が起こるのでしょうか?


■なぜ体重超過はなくならない?

ボクシングは興行です。
プロボクサーが試合で莫大なファイトマネーを手にできるのも、大勢の観客を集めて華やかな試合ができるのも、プロモーターによるマッチメイクのおかげです。
もしもボクサーの体重超過が原因で試合が中止になったら、損失は計り知れません。
自身のキャリアにも少なからず影響が出るでしょう。
そのため王座は剥奪されるものの、体重超過していても試合は行われるのが通例です。
逆に言えば「体重超過しても試合に出られる」ということになります。
もちろん罰則はありますが、罰金の支払いだけで済まされてしまうことが大半で、深刻なペナルティはないのが現状です。


■精神的に有利に立てるかが大きい

体重によって細かく階級分けされているボクシングでは、階級が一つ違うだけでまったく勝てなくなるということがよくあります。
そのため、少しでも有利に戦うために減量するのが一般的です。
10kg近く減量して階級を下げてくるボクサーも珍しくありません。
ボクシングでの「有利」とは、体格的なものだけでなく精神的なものもあります。
「自分の方が有利だ」「自分の方が強いんだ」と思い込むことで、実力以上のパフォーマンスができる場合もあるでしょう。
体重超過が精神的に有利に働くとなれば、由々しき問題です。
違反には厳しいペナルティを望む声が大きいのも当然といえるでしょう。


山中慎介を引退に追い込んだネリは勝利を手にしたものの、信用を失いました。
失ったものの大きさに気付いた時、どのような行動を取るのか、そこに彼のすべてがかかっています。

 

 

 

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