レフェリーが持つ権限と危うさ
ボクシングの試合で選手とともにリングに上がるのがレフェリーです。
レフェリーには多くの権限があり、試合の流れを変えるほどの力を持っています。
今回はそんなレフェリーに注目が集まった試合について解説しましょう。
■試合の決定権はレフェリーが持つが
ボクシングの試合では、レフェリーがあらゆる決定権を持っています。
選手の様子を見て試合を中止させたり、反則行為とみなせば失格させたりも可能です。
いわゆる「レフェリーストップ」と呼ばれるこれらの権限を持つレフェリーですが、セコンドから棄権の意志を伝えられたら、試合を中止すべきか判断しなければなりません。
仮に、セコンドの意志を無視して試合を続行してもルール違反とはなりませんが、そういった事例はほぼなく、セコンドの意思を尊重するのが通例となっています。
■選手のことを一番理解しているのは誰か?
ところが2021年に行われた試合の中で、セコンドの意思を無視し、棄権を認めずに試合を続行させたレフェリーが話題になりました。
その試合は結局、戦況が覆ることなくKO負けで終わっています。
負けた選手は骨折の疑いもあったことから、セコンドの意志を無視したレフェリーに非難が集まりました。
騒ぎが大きくなったこともあり、試合終了後にはレフェリーが自ら選手のもとを訪れ、試合を続行した理由を説明したそうです。
それによると、
◎選手は試合を続けたそうにしていた
◎相手のパンチは顔ではなくボディに入っていた
◎選手はフラついておらず足取りがしっかりしていた
といったことを総合的に判断し、棄権させなかったということです。
棄権させるかどうかはレフェリーの判断にかかっており、続行させてもルール違反にはなりません。
しかし、選手のことを一番理解しているのは誰か、ということも頭に入れるべきだという声が多く上がったのも事実です。
実際、この試合でリングにタオルを投げ入れたのは、負けた選手のトレーナーである父親からでした。
ボクシングの試合では、レフェリーが大きな権限を持っています。
それはとても頼もしいことではありますが、同時に危うさも含んでいることを忘れてはなりません。
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