谷宜樹のボクシング人生

ボクシングについてもっと知ってほしいです。

タオル投入ではなくウェイビング?ルール変更の背景とは

ボクシングをしたことがない、興味がないという人でも「タオル投入」が何を意味するのかは知っているのではないでしょうか?
今回はそんなタオル投入について解説します。

 


■「タオル投入」がボクシングルールから消えた

ボクシングの試合でしかほぼ見られない光景の一つに「セコンドによるタオルの投入」というものがあります。
これは、セコンドの判断で選手を棄権させる時に行うもので、タオル投入に気付いたレフェリーが試合を中断、終了となります。
これはルールとして定義されており、ずっと運用されてきましたが数年前、改定が行われました。
試合中に選手を棄権させる場合は、セコンドがウェイビングを行うことで意思表示すること、と改められたのです。
ウェイビングとは、レフェリーに向けてタオルをグルグル回す動作のことです。


■ルール変更の背景にあるものとは

タオルの投入がなぜ廃止になったのか、その理由について日本ボクシングコミッションでは次のような説明をしています。

◎タオルがロープに引っかかるなどして、レフェリーが気付かないおそれがある
◎観客席から何らかの理由でタオルが投げ込まれると混乱を招くおそれがある
◎世界的に「タオル投入」よりも「ウェイビング」が一般的になりつつある

加えて、タオル投入を即廃止するということではなく、棄権の意志がレフェリーにちゃんと伝わることを重視しており、徐々に浸透していくことを望むといった趣旨のコメントも発表しています。


■そもそもなぜ「タオル投入」?

まだルール整備がされていなかった時代、いくらセコンドが棄権を主張しても従わない選手が多くいました。
体を張って止めるのも一苦労で、セコンドは大変な思いをしていたようです。
そこで、反則行為を行うことで試合を終わらせようと考えられたのが、タオルの投入です。
当時すでに「試合中にリング内に物を投げ入れたら反則負け」というルールは存在しており、セコンドは反則負け覚悟でタオルを投入していたわけです。
これが広まり、正式にルールとして採用されたかと思うと、ボクシングの試合を止めるのは容易ではないことがわかります。


判断を誤れば大ケガにもつながるため、タオル投入のタイミングは重要でした。
世界的に運用が浸透しつつあるウェイビングにより、より迅速な対応が可能になったことは大きな意味があるでしょう。

 

 

 

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